安心を得るために。〜現役保育士が見る保活



「保育園落ちた日本死ね!!!!」

衝撃的な書き込みが日本中を駆け巡ったのは2年前の冬。今年も「やっぱりダメだった!」「どうせ、絶対入れないから…」こんな言葉を幾度となく耳にしました。


待機児童解消加速化プラン

待機児童対策に国や自治体が重い腰をあげた数年前から、状況は変わるどころか、むしろ益々深刻化しているように見受けられるこの問題、保育の受け皿は年々増えているのに、申し込み者も増加しているため、一向に解消しないイタチごっこ状態が続いています。


*厚生労働省 : 待機児童の解消に向けた取組の状況について (平成29年9月1日公表)


待機児童の問題は、都市部において特に深刻な状況であることは間違いありませんが、勿論それだけではありません。公表される数字には、実際に申し込まれた件数のみが反映されていて、認可園を諦め認可外に申し込んだり、求職自体をやめてしまった人の数は反映されないため、実際の待機児童数はそれよりも上回っています。朝日新聞DIGITAL 待機児童問題「見える化」プロジェクトでは、東京23区、政令指定市、待機児童100人以上の自治体を取り上げて、かくれ待機児童をタイプ別に分類集計し、実状を現しています。


と、こんな風に客観的事実だけを追っていくと、「もしも自分が、小さな子どもを抱えて働きたいお母さんだったら?」と考えずにはいられません。


保活

認可保育園に勤めていた頃、保活中のお母さんたちに接しながら、保育園探しって、地図のない街を、見えない目的地に向かって歩くようなものだなぁと感じていました。明確な手がかりが見つからないまま、手探りで歩き出さなければならない現実。 よくわからないけれど、とりあえず目に付いた園に見学に行き、申し込みをして結果が出るのを待つ。結果がNGなら、2次募集に申し込みをして、認証や認可外にも問い合わせ、見学に行き、更に結果を待つ…。せめて役所基準の自分のポイントがどの程度で、希望園の枠がいくつあって、自分の順位がどの辺りなのかなど、当たりをつけられる仕組みでもあれば、少しは建設的な活動が出来るのにと思っていました。


4月から職場復帰が決まっているのに、3月半ばに保育園が決まらず途方にくれていた方が、月末になって急遽欠員が出来て滑り込めたと喜んで知らせてくれた事がありました。みんな、行政の取り決めと都市伝説に翻弄されて疲れ果て、入園が決まってホッとした次の瞬間から、家と保育園と職場、仕事と育児と家事に追われる日々が始まるのです。


安心と信頼

やっとの思いで入園した保育園でも、そのスタートは複雑です。朝、涙を流しながら、泣いてすがる我が子の手を振りほどいて職場に向かうお母さんの姿を、少なからず見てきました。だから少しでもお母さんを安心させてあげたくて、子どもの笑顔の瞬間をできる限り切り取り、そのエピソードを話して聞かせていました。


保育の現場に携わる者として保育園は、子どもにとっては、家庭と同じように安心して存分に自己を発揮できる場所、親にとっては、安心して我が子を託せて時には心の拠り所となる場所であらねばと考え努めています。



後悔しないために

保育園探しも、保育園選びも、入園するための手続きも、気力体力ともに消耗する大変な活動ですが、できる限りたくさんの園に見学に行っていただきたいと思います。その園がどの様な環境で、どんな職員が、どんな眼差しで子どもたちを見ているか、子どもたちにどんな言葉で語りかけているか、子どもたちがどんな表情で過ごしているか、、、。その園の実際を、自分の目と耳で、肌で、感じてみて欲しいのです。大規模園にも小規模園にも、認可園にも無認可園にも、それぞれに特徴や個性があります。質の良し悪しは、外側からでは見えません。


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ここで語られている体験談は決して稀な話ではなく、どこの地域でも起こっていることです。預かってもらわなければ困るからと、保護者はなかなか声をあげません。


今の保育園事情を思えば、「入れる所なら何処でも」と考えてしまうのも仕方ないと思う部分もありますが、保育園は毎日通うことになる場所ですし、子どもにとっては1日の大半を過ごす場所です。お母さんがここに入れたい、入りたいと思える園に巡り会い希望が叶うことを願うばかりです。


【保育所の種類にによる違い】


*認可保育所:国が定めた基準(施設の広さ・保育士等の職員数・給食設備・防災管理・衛生管理等)を満たし各都道府県知事に認可された保育所(保育園)のことをいいます。定員は60名〜300名超と様々ですが、100名前後の施設がほとんどです。


*認証保育所:認可保育所に近い基準で、自治体独自に認証した保育所。(無い地域もあります。)


*無認可(認可外)保育施設:国が定めた基準を満たしておらず、自治体に認可されていない保育施設という定義になりますが、一定の基準を満たして自治体の補助を受けているところもあります(認証)。独自の信念の元、素晴らしい保育を実践している施設や、縛りのない幅広いニーズに応えている施設が数多くあります。


28年度から設置が始まった企業主導型保育所は、認可保育所と同じ基準を満たしながら、国からの助成を受けて運営しているため、自治体においては無認可(認可外)保育施設に区分されます。

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